〽それ大方の春の花、木々の盛りは多けれども、
花の中にも始めなれば、梅花を花の兄とも言へり
(謡曲『難波』より)
皆様、こんにちは。
まだまだ堅雪の残る久良岐能舞台ですが、現在庭園では梅が可憐に花をつけております。
久良岐の梅は規模としては決して大きなものではありませんが、蕭々とした冬景色の名残が残る中で、つつましく咲くその花は、まさに小さな春の訪れを告げているかのようで、気持ちをほんのりと明るくさせてくれます。
先に謡曲『難波』の一節を挙げましたが、古来より梅の花は他の花に先立って咲くことから「花の兄」と呼ばれているそうです。では、兄がいるなら弟や妹もいるのか?と疑問をお持ちになられる方もいらっしゃると思いますが、「花の弟」については古来より諸説いわれがあり、どうも一貫していないようです。中国北宋時代の詩人、黄庭堅の『王充道送水仙花五十枝欣然會心爲之作詠』という詩には「山礬」が弟と詠まれており、鎌倉時代後期の私撰和歌集『夫木和歌抄』の和歌には「菊の花」が弟と詠まれていたり。しかし、「花の兄」が梅であることは調べた限り一貫しているようです。こういった物の異名の由来を知るのは実に面白いことですね。
さて、久良岐の「花の兄」は只今こんな感じですが、今回は久良岐能舞台近隣にある梅の名所の様子もご紹介したいと思います。
「久良岐公園」
ぽつぽつと花が咲いていますが、満開にはもう少しかかりそうな様子でした。
それでもアマチュア写真家の方や家族連れなどで梅のまわりはにぎわっていました。
「岡村天神」
まさに今が満開!見ごろを迎えていました。
こぼれんばかりに咲く花の合い間をぬって、蜜を求めてメジロが飛び回る様子が見られました。
「座論梅」という珍しい梅もあります。
「岡村公園」
全体的にはもう少しで満開を迎えそうです。
それでも日当たりのよい場所にある木には沢山の花が咲き、甘い香りがただよっていました。
岡村公園の梅林では、来る3月2日(日)10時~15時に、久良岐能舞台も日頃お世話になっている岡村地区連合町内会さん主催による第21回岡村梅林「梅まつり」が開催される予定です。前日(3月1日)18時~21時には梅林のライトアップも行われるそうです。みなさま是非お誘いあわせの上、春を感じに岡村地区へお運びいただければと存じます。
岡村梅林の梅まつり当日様子はまた後日、このブログでレポートできればと思います。
それでは皆様、よい一週間を!
久良岐のこけし
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