2014年2月23日日曜日

花の兄




〽それ大方の春の花、木々の盛りは多けれども、

花の中にも始めなれば、梅花を花の兄とも言へり


(謡曲『難波』より)






皆様、こんにちは。

まだまだ堅雪の残る久良岐能舞台ですが、現在庭園では梅が可憐に花をつけております。










久良岐の梅は規模としては決して大きなものではありませんが、蕭々とした冬景色の名残が残る中で、つつましく咲くその花は、まさに小さな春の訪れを告げているかのようで、気持ちをほんのりと明るくさせてくれます。



先に謡曲『難波』の一節を挙げましたが、古来より梅の花は他の花に先立って咲くことから「花の兄」と呼ばれているそうです。では、兄がいるなら弟や妹もいるのか?と疑問をお持ちになられる方もいらっしゃると思いますが、「花の弟」については古来より諸説いわれがあり、どうも一貫していないようです。中国北宋時代の詩人、黄庭堅の『王充道送水仙花五十枝欣然會心爲之作詠』という詩には「山礬」が弟と詠まれており、鎌倉時代後期の私撰和歌集『夫木和歌抄』の和歌には「菊の花」が弟と詠まれていたり。しかし、「花の兄」が梅であることは調べた限り一貫しているようです。こういった物の異名の由来を知るのは実に面白いことですね。



さて、久良岐の「花の兄」は只今こんな感じですが、今回は久良岐能舞台近隣にある梅の名所の様子もご紹介したいと思います。




「久良岐公園」


ぽつぽつと花が咲いていますが、満開にはもう少しかかりそうな様子でした。





それでもアマチュア写真家の方や家族連れなどで梅のまわりはにぎわっていました。










「岡村天神」


まさに今が満開!見ごろを迎えていました。







こぼれんばかりに咲く花の合い間をぬって、蜜を求めてメジロが飛び回る様子が見られました。







「座論梅」という珍しい梅もあります。



「岡村公園」




全体的にはもう少しで満開を迎えそうです。




それでも日当たりのよい場所にある木には沢山の花が咲き、甘い香りがただよっていました。












岡村公園の梅林では、来る3月2日(日)10時~15時に、久良岐能舞台も日頃お世話になっている岡村地区連合町内会さん主催による第21回岡村梅林「梅まつり」が開催される予定です。前日(3月1日)18時~21時には梅林のライトアップも行われるそうです。みなさま是非お誘いあわせの上、春を感じに岡村地区へお運びいただければと存じます。


岡村梅林の梅まつり当日様子はまた後日、このブログでレポートできればと思います。





それでは皆様、よい一週間を!
久良岐のこけし  




2014年2月16日日曜日

2月14日の雪のこと


みなさんこんにちは。

一昨日(2/14日)は8日にひきつづき、なかなかの大雪でしたね。
各地で大雪による混乱や被害が相次いでいるようですが、おかげさまで久良岐は木が倒れた程度で、今のところ建物等に目立った被害は出ておりません。

しかしながら、今回の雪は山男曰く、前回の雪よりも雪質が湿っていてたちが悪いとのこと。昨日から悪戦苦闘の雪かき作業が続いております。









私たちの心強い味方!サポートスタッフさんもお手伝いに来て下さり、カチカチに凍った重い雪を運び出しているところです。日ごろから久良岐の日常業務をお手伝いして下さるサポートスタッフさんには本当に感謝感謝です。




さて、そんなこんなで大雪の置き土産の処理に追われている久良岐ですが、せっかくなので14日当日の美しい雪景色をいくつかご紹介したいと思います。



















    




  




















ご堪能いただけましたでしょうか?

自然の創り出す風景はまさに芸術ですね。





久良岐のこけし     

















2014年2月14日金曜日

久良岐の人々

皆さま、ご無沙汰しております。
大雪の五反田(本社)から猫娘です。

山男氏とこけしちゃんが先に大作をupしておりますが、新しく当サイトをご覧頂いている方もいらっしゃると思いますので、簡単に久良岐の住人の紹介をさせて頂きます。(久良岐スタッフは本名以外に何故だかコードネーム<源氏名>を持っています。blogやtwitter、facebookではこのコードネームで書き込みをしますので、どうぞ、よろしくお願い致します。

【支配人】・・・館長です。猫と同じく五反田の本社と久良岐を行ったり来たりしています。腰が痛い痛いと言いつつも庭いじりをしています。なんのかんの言って、久良岐の仕事が気に入っている様子。珍しい味のカップ麺を探求する研究家(本人は否定しそうですが)でもあります。

【山男】・・・現場常勤チームを束ねる主任さん。チーム久良岐的には番頭さんです。元は熟練の営業さん。庭の手入れ、各種修繕や市役所とのやり取り、ご町内の仕事、スタッフの就労環境管理etc...何でもやります。

【二代目お母さん】・・・初代は前管理者の横浜市芸術文化振興財団さん時代にいらっしゃったようなので、私達シグマコミュニケーションズのお母さんは二代目となっております。 チケットの管理、挿花、物販コーナーetc...久良岐のハウスワークを全面的に担当しています。

【尺八おじさん】・・・久良岐の主催事業に関わる現場仕事(講座の受講生さん達の連絡役やスケジュール、受講料の管理、公演時の受付管理等)を担当しています。久良岐で一番ののっぽさんで、手練れの尺八プレーヤーです。 休みのに日は自宅近くでリサイタルをしているとかいないとか?公演依頼がございましたら、久良岐事務室までお気軽にどうぞ。

【庭職人】・・・広報(公官庁系媒体との折衝、掲示板やチラシラック、DMの管理等)や庭管理を担当しています。久良岐の庭マスターにしてお酒と小さなお客様(子供達)をこよなく愛する陽気なおじさんです。鳴声だけでどの鳥が庭園に来ているかをあててしまう野鳥博士でもあります。施設見学ご希望で庭園の事をじっくり知りたい時はどうぞ、ご指名ください。

【こけし】・・・昨年夏から久良岐の住人になった新人さん。 大人しいかと思ったら、にっこり笑って、ぐっさり鋭い言葉を残します。あ、でもお客様にはフレンドリーですから、どうぞ、ご安心くださいませ。現在、お茶室振興計画推進隊長。お茶室振興に対する良いアイデアがありましたら、どうぞ、事務室のこけし迄。宜しくお願いします。

【猫娘】・・・私です。能楽施設に非ざる「らしくない職員」を目指して日々、企画(妄想?)を練っています。真面目な文章を書くのが世界一苦手なので、私が原稿を担当している諸々については、そろそろ某動画サイトのように「公式が病気」と言われる日も遠くないかと思っております。支配人さんと同じく本社と久良岐を行ったり来たりしています。基本、他の6人がやらない仕事なら全てが私の仕事。洗い物、お掃除、公演企画制作、営業、ボランティア事務、何でもやります。


以上、久良岐の住人7名の紹介でした。どうぞ、宜しくお願い致します。

(久良岐の猫娘)  

2014年2月13日木曜日

「なまはげ柴灯まつり」に行ってきました


みなさま、こんにちは!昨年7月より久良岐にやってきました、新人こけしと申します。







前回の山男のブログ記事にもあったとおり、先週は関東でも近年稀にみる大雪となり、色々大変だったようですね。久良岐にもまだ残雪がこんな感じで残っています。

先週末、久良岐スタッフが雪掻きに精を出していた頃、私ははからずも連休をいただいて、真冬の秋田県を探訪しておりました。






氷樹を見に山に登り…





秋田内陸縦貫鉄道にゆられ…






雪の秘湯ではしゃぎ…




関東であんな大雪が降っていたとはつゆ知らず、秋田の雪景色を楽しんできました。
しかし、なぜこんな寒い時期にわざわざ秋田までやってきたのかというと…




これです↑これ!
秋田名物「なまはげ」を見るためでした。





久良岐に来てはや半年、仕事をとおして今までなじみのなかった能楽をはじめとする様々な古典芸能の世界を日々勉強させていただく毎日を送っておりますが、そんな中で地方の伝統芸能・民俗行事をとおした地域の活性化と観光産業のつながりにも興味を持つようになり、今回その一つとして秋田県男鹿半島で毎年行われている「なまはげ柴灯まつりを観に来たのでした。



今日は久良岐の日常から離れて、その時の様子をちょっとご紹介したいと思います。




 真山神社山門



「なまはげ柴灯祭り」は、毎年2月の第2金土日曜日の三日間、男鹿市北浦にある真山神社というところで行われる、神事「柴灯祭(せどまつり)」と民俗行事「なまはげ」を組み合わせた冬の観光行事です。

もともと「なまはげ」は大晦日に行われる民俗行事で、「ナモミを剥ぐ」という言葉がなまったものなのだそうです。ナモミとは炉端にかじりついていると手足にできる火型のことで、働かずに火にあたってばかりいる=怠惰の象徴とされるもので、それをはぎ取り、怠惰をいましめるのが「なまはげ」なんだそうです。




  会場の出店



祭り会場では地元の名産品「だまこ汁」や「比内地鶏の手羽先」など、飲食物を販売する出店が並び、祭り開始前から多くの観光客でにぎわっていました。

地元の若者たちが、真山神社参道入口でなまはげ面を身に着け、なまはげと化す儀式から始まり、大晦日に行われるなまはげ行事の再現、そして焚き上げられた柴灯(せど)のもとで繰り広げられる勇壮で迫力あるナマハゲの乱舞は多くの人々を魅了していました。









なまはげ踊り




そしてその中で、私が一番感動したのが、地元男鹿市を拠点に活動している、なまはげ太鼓団体「男鹿っ鼓」さんによる演奏でした。








なまはげ太鼓



冬の冷たい空気を伝ってビンビン響く力強い太鼓の音、躍動感溢れるパフォーマンスに昂揚する気持ちを抑えることができず、気付いたらシャッターを押しまくっていました(笑)。いつか、久良岐の舞台でもやってもらいたいなぁ、なんて思ってしまうくらい素晴らしかったです。




* * *


「男鹿も若者がみんな都市部に出てしまってね、じいさんたちばかりで行事を維持するのも大変になってきているんだよ。」



男鹿で乗ったタクシー運転手さんがこうもらしていたので、地方ならでの切実な事情を憂慮し、寂しさを感じていたのですが、男鹿っ鼓さんたちのように地元の伝統文化を担い、地元を盛り上げる活動を地元で行っている若者が少しでもいる限り、男鹿のなまはげ行事の未来はまだまだ明るく頼もしいものであると感じました。願わくは彼らのような若者が活躍できる場がさらに広がり、この素晴らしい伝統行事が末永く後世に継承されますように。

伝統文化の担い手不足、高齢化、厳しい財政…こういった問題は今回の「なまはげ」に限らず、他の伝統芸能・民俗行事、そして能楽の世界にも通じる問題だと思います。こうして久良岐能舞台という「伝統芸能の場」を管理運営している我々が伝統芸能の衰退に対しできることは何か。改めて問題意識を再認識させられた旅となりました。何とか明るいほうへ、明るい方へ進んでまいりたいと思います。




                                 ↑久良岐のこけし


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「第6回久良岐狂言会~野村万作家の狂言~」
【日時】平成26316日(日) 開場:13:00 開演:13:30
【参加料】全席自由 3,500円(保護者同伴の中学生以下無料)
【ご予約・お問い合わせ】045-761-3854(受付:10:0017:00









「能舞台で甦る古代の響きから…」
【日時】平成26322日(土) 開場:13:30 開演:14:00
【参加料】全席自由 3,500円(保護者同伴の中学生以下無料)
【ご予約・お問い合わせ】045-761-3854(受付:10:0017:00

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